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Dr.深堀のラジオde診察室 2026年8月15日 「くちゃくちゃ」「鼻をすする音」が耐えられない――それは心が狭いからではありません

「くちゃくちゃ」と食べる音が気になる。
「ズズッ」と鼻をすする音がどうしても嫌い。
ペンをカチカチ鳴らす音、足音、咳払い、キーボードを叩く音……。

日常の中にあふれている、ほんの小さな音。
それなのに、その音を聞いた瞬間、猛烈なイライラに襲われることがあります。

でも、それは単なる「音に敏感な性格」や「心の狭さ」ではないかもしれません。

## 「音の大きさ」ではなく「音のパターン」に反応する

こうした状態は、**ミソフォニア(音嫌悪症)**と呼ばれています。

ミソフォニアの特徴は、音が大きいから嫌なのではありません。

むしろ、音の高低や大きさよりも、
**特定の音の「パターン」そのものに強く反応する**ことがあります。

たとえば、

* ……..呼吸音

など。

その音を聞いただけで、…….
という強い反応が起こる。

中には心拍数が上がったり、身体に緊張が走ったりすることもあります。

つまり、頭では「そんなに怒るような音じゃない」と分かっていても、**脳と身体が先に反応してしまう**のです。

## 脳の「闘争・逃走反応」

ミソフォニアでは……..、あなたの性格が悪いわけでも、心が狭いわけでもありません。

## 「好きな人なのに、なぜ?」

ここで不思議なのが、

「嫌いな人の音だから腹が立つ」

とは限らないことです。

大好きな家族や…….が関係していると考えられています。

ある日突然、

「この音、なんか嫌だ」

と感じるようになり、……相手に対する愛情とは別のところで反応が起きてしまうのです。

## ミソフォニアは珍しいものではない

ミソフォニアという言葉が生まれたのは2001年。

比較的新しい概念で、現在も研究が進められています。

一方で、実際には「自分だけがおかしい」と思いながら過ごしている人も少なくありません。

発症は子どもから思春期にかけて始まることが多く、男女どちらにもみられます。

ただし、ミソフォニアは現在、一般的な精神疾患の診断マニュアルに…….とは少し違います。

**音そのものの大きさではなく、特定の音に対して強烈な嫌悪反応が起こる。**

そこが大きな特徴です。

## では、どうすればいい?

現時点では、ミソフォニアに対する….があるわけではありません。

まずは、**嫌な音を物理的に遮断すること。**

ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンを使ったり、…..ひとつの環境調整です。

そして、症状が強く日常生活に支障がある場合には、心療内科などの医療機関に相談する方法もあります。

認知行動療法などを用いて…….ようなアプローチです。

ミソフォニアは、決して「一生このまま」と決まったものではありません。

## 昔の作家や思想家も「音」に苦しんだ

実は、特定の音に強い嫌悪感を抱く人は昔からいました。

ショーペンハウアーは、馬車の鞭の音を強く嫌ったといわれています。

カフカは、…..を残しています。

プルーストも、…..で知られています。

ダーウィンも、話し声のトーンなど、音に対する強いこだわりがあったとされています。

ただ、人間の脳が周囲の音に強烈な反応を示すこと自体は、決して現代だけの問題ではないのです。

## 「自分を責めない」ということ

音が気になってしまう。

誰かの咀嚼音にイライラしてしまう。

そのたびに、

「こんなことで怒る自分はおかしい」
「もっと我慢しなければ」
「自分は性格が悪い」

と、自分を責めてしまう人もいるでしょう。
イヤホンでもいい。
耳栓でもいい。
BGMでもいい。

自分が少し楽になれる環境をつくっていいのです。

「たかが音」と我慢する必要はありません。

### 今週の格言

> 「他人の咀嚼音が聞こえると、私の脳は『こいつを殴れ』か『今すぐここから逃げ出せ』しか選べなくなる。それが私の脳の病気、ミソフォニアだと分かったとき、本当に救われた。」

――ケリー・オズボーン

聞き逃された方は、ラジコ(radiko)

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