2024.3.18
Dr.深堀のラジオde診察室 2024年03月16日「歯科心身症」
「歯科心身症」:様々な検査をしても何も異常がないのに、口の中に痛みがあったり、乾燥や知覚過敏や麻痺したような感覚に陥ったような違和感を感じるといった自覚症状だけがずっと続く、このように検査や診察では異常がないにも関わらず、痛みや違和感が持続する原因不明の症状や、ストレスとの関連が疑われる不定愁訴や心身症のような病態の患者さんが増加しており、こうした病態が歯科心身症、あるいは口腔心身症と呼ばれるようになってきた。歯医者さんで「何も問題はない」と言われ、精神科や心療内科でも「専門外だからわからない」と言われてしまいますと、何にも解決する手立てがなくなって困ってらっしゃる患者さんは実際に多く存在すると言われてます。 

 

歯科心身症になる方 

中高年の女性に多く、…..を治療してもらった後に発症するケースが多い。 

 

歯科心身症の症状:症状は実に多彩。舌が……がある、口の内に……..を感じ過ぎるなど 

 

歯科心身症の種類

舌痛症:舌の先や縁に痛みを感じたり、ピリピリしたりヒリヒリすると感じるという症状。この舌痛症は、「……を認めない病態」と定義されています。

舌痛症は「口腔内灼熱症候群」いわゆる…….を感じる場合もある。また舌の乾燥を訴えるケースも多い。 

実際に、口の中や舌に炎症や潰瘍が見られる場合に舌炎、歯肉炎、アフタ性口内炎などの口腔粘膜疾患と診断されます。舌痛症は、痛みが唯一の症状であるということです。またこの舌痛症は、特に更年期の女性に発症することが多いことが多い。 

口腔異常感症:口腔内に炎症や…….と言われています。口の中がネバネバする、ベタベタする、ザラザラするといった症状や口腔の乾燥や味覚異常などが起こります。 

口臭恐怖症:実際はそれほど問題のないレベルにも関わらず、「…..」ですとか「自分の口臭が…….」と思い込む症状 

歯医者さん的には咬み合わせには何も異常はないのに、咬み合わせの違和感を感じる病態も歯科心身症の一種。これは………..が分からなくなってしまうからだと言われています。 

歯科心身症が原因で顎関節症を起こすこともあり。心理的なストレスがあると、…….このような現象は顎関節症の大きな原因となります。 

歯科治療恐怖症:歯科治療に対して異常な恐怖心を持ってあって、まともに歯科治療が受けられない状態。かつて受けた歯科治療時の恐怖がトラウマとなって残存してて、歯科治療を受けることを想像しただけで気分が悪くなる、息苦しくなるなどの症状が認められます。 

歯科心身症になってしまう原因:明らかになってはいないんですが、心理的な要因だけでなく、…….、元々の性格が几帳面で完璧主義で悲観的であったり、強……..の高次な脳機能のアンバランスが生じて、自律神経が乱れることが原因ではないかと考えられる。 

身体的な要因には………神経伝達物質の枯渇や脳内の神経回路の機能不全などの可能性も指摘されていますが、そのあたりの細かいところは今のところ明確にされてない。 

治療法は大きく分けて2つ 

心理療法:症状に対して意識が集中し、いわゆる症状に「とらわれた」状態の方が多く……….、今まで感じてなかった感覚が生じる。この「とらわれ」のパターンにご本人が気付けるようにカウンセリングを行っていくことが心理療法のミソ。 

 

薬物療法:向精神薬が使われます。 

抗うつ薬ですね。最近ではこうした薬……….、治る可能性は高くなってきている。ただ副作用を恐れて服薬することに納得されない方もいらっしゃいます。 

心身症は……..、脳の機能に直接影響のあるお薬が最も効果がある。皆さんが懸念される副作用も薬の使い方に慣れた医師であれば心配することはありません。 

治療期間:約1ヶ月程度で変化が現れる方もいらっしゃいますし、半年~1年以上通院が必要な方もいらっしゃいますね。病気で………….、逆に悪くなったとしても焦らず、あきらめず、全体では良い方向に向かっていることに……..、治りもより早くなりますからね。 

 

自分で対処できる方法 

歯科心身症の原因はストレスからくる自律神経の乱れが原因かも?。であれば、いくら口の中のケアをしても解決しません。まずは、……….を増やすことが大切です。例えば、……..を食べる、入浴はシャワーだけで済ますのではなく、41度くらいの湯船にゆったりつかるようにする、……などの軽い運動をする、朝起きたらまず太陽の光を浴びる、深呼吸や腹式呼吸をする、マッサージして体をほぐすなどのことに心がけたらよろしいのではないでしょうか。 

 

自分が歯科心身症じゃないのかなと思えたら、どの診療科を受診したらいいのでしょう 

まずは歯医者さんかかられるのがいいでしょうね。 

それにいきなり精神科や心療内科を受診されても、口の中以外で精神症状が出てなければ、「まずは歯医者さんで診てもらって下さい」と言われてしまうのがオチです。それは、本当に歯や舌に問題がないかどうか診断することは精神科や心療内科の医師にとってはちょっと無理だからです。 

歯医者さんの中にも、歯科心身症に詳しい先生もいますからね、受診された歯科医の先生が歯科心身症とどう向き合ってあるか次第なのかなと思います。中には、歯科心身症を専門に取り組んでおられる歯医者さんもいらっしゃいますので、そちらに紹介状を書いてくださる場合もあるのではないでしょうか。 

 

ただ、歯医者さんだけで治療するのが困難なケースもたくさんあり、歯科心身症の症状だけではなくって重いうつ状態を合併しているような場合、命にかかわるような重症度と緊急性があるかどうかで対応は変わってきます。もしそうした状況であれば、迷わず心療内科や精神科を受診して頂きたいですね。 

 

歯科心身症の治療中は、歯に関する他の治療は控えた方が良い。まずは、歯科心身症の治療に集中して頂きたいですね。 

 

今週の格言 

  『患者は嘘をついてるのでも、メンタルのせいでもなく、脳の中でそう感じるようなエラーが生じているのだ』

 

聞き逃された方は、ラジコ(radiko)

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