2021.1.17
Dr.深堀のラジオde診察室 2021年1月16日 認知症
認知症
認知症の専門医療機関は精神科!!
認知症の軽度は神経内科や脳内科で対応可能
四大認知症
①アルツハイマー型認知症②レビー小体型認知症③脳血管性認知症④前頭側頭型認知症
③の脳血管性認知症とは
全認知症の2~3割を占め、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など脳血管の詰りや出血は脳血管障害という。これらが原因で脳細胞に栄養が行き届かなくなり脳細胞が死滅することによりおきる認知症
一番多いのは、細い血管のとトラブルで発生する小血管性認知症(多発ラクナ梗塞・ビスワンガー病)
小さな脳梗塞が何度か積み重なって起きる多発梗塞性認知症
過度の血圧低下などで脳循環が低下し機能不全を起こし発症する低灌流性脳血管性認知症などがある
脳血管性認知症の場合は、機能が部分的に低下していく「まだら認知症」。新しいことは記憶できないが、理解力や判断力はしっかりしている。
特徴:脳血管の障害のある部位によって症状が異なる。失語・失行・失認*1・感情失禁・仮性球麻痺と言った症状もみられます。間違いが増えたり、疲れやすくなる注意障害・アパシーと言った意欲低下の状態等
*1
失語:聞く話す読むが出来ない。コミュニケーションがとれない。
失行:これまで普通にできたこと(服を着る。自宅の鍵がかけれなくなる。お箸が使えない)が出来なくなる。(周りの人がすべて手伝ってあげるとますます低下してしまう。)見守りながら手伝ってあげる。
失認:五感に関わる(情報を取り込む機能)認知能力が上手く働かない。
例えば「知り合いが家を訪ねてきたのに知らない人が家に上がり込んでいる。」
脳血管性認知症の原因
動脈硬化による脳梗塞:高血圧・糖尿病・脂質異常症によっておこりやすい。
脳血管障害の発症再発防止を心がける。
病院に行くタイミングは
「物忘れが増えた」にくわえ、「趣味に興味をなくした」・「外出しなくなった」・「あまり人と喋らなくなった」・「家に閉じこもるようになった」・「料理を作らなくなった」など、「銀行でお金が出せなくなった」・「買い物に行って帰れなくなった」「薬の飲み方が判らなくなった」つまり「その人の生活が変わった」・「その人らしさがなくなった」などの日常生活の変化、混乱が起きた場合。(「老化によるもの忘れ」と「認知症」は違う。)
出来るだけ早く専門医に受診された方が良い。
なぜなら、認知症には「治る認知症」があるから。
「治る認知症」身体の病気が原因・脳卒中・正常圧水頭症・硬膜下血腫などの
治る認知症はほおっておくと本当の認知症に発展する。早く治療すれば治ります。
軽度認知障害:記憶力が正常より落ちている状態
この時期に治療すれば認知症に進む可能性は低くなったり、遅らせることが出来る。
連れて行くのを嫌がる。本人が一番不安な(診断さえると怖い)ため病院に行かない場合が多い。
その時家族は、不意打ちや無理やり連れてこようとはせず(かえって治療や診察が出来なくなる)、ご本人の気持ちに寄り添って“かかりつけ医”等と相談して事を進めたり、同じ言葉でも、「認知症かもしれんけん病院いこう」など、または相手主体でなく「私が心配だから」と自分主体のメッセージを伝えると同じ内容でも受け入れやすくなる。
出来るだけ早期に治療開始して進行を抑えましょう。
今週の格言。
「若い時は興味が散漫なため忘れっぽく、年を取ると興味の欠乏の為に忘れっぽくなる」byゲーテ