2020.11.16
Dr.深堀のラジオde診察室 2020年11月14日 PTSD
PTSDとは、普通経験しないような命にかかわる極端なストレスを体験した後に発症する病気、強い恐怖感や無力感を感じ悪夢を見たりするなど様々な症状が現れる。 ただ、怖い体験をしても必ずしも発症はしない。(個人差、生まれ持った性格) いつまでもトラウマを克服できないと言って自分を責めるのをやめて下さい。とても怖い思いをした人にとってはPTSDは自然の反応と言えます。 PTSDの4大症状 ①突然つらい記憶がよみがえる。(フラッシュバック現象) ②常に神経を張り詰める(過敏な状態が続く) ③記憶を呼び起こす状況や場面を避ける(無意識の内に行動が制限され通常の日常生活が送れなくなる。 ④感覚がマヒする(人に心を許すことが出来ない。一種の防衛本能) 治療法   まずは、薬物療法(抗不安剤や抗うつ剤)で落ち着かせる。 そして心理療法、その中の一つ今回は、持続エクスポージャー療法(暴露療法)=認知行動療法 トラウマを直視してもらって乗り越えてもらう治療法 トラウマとなった場面を敢えてイメージしたり、これまで避けていた記憶を呼び起こすきっかけに身を置くようにする療法。 そうすることで、思い出しても危険はないという事を肌で感じてもらう。ただし、副作用で一時的に不安が強まったり症状が悪くなったりするため、どこの医療機関でも良いというわけでなく、必ずこの治療の専門(十分な指導、経験と知識がある)の治療者の下で行わなければならない。成功率は7~8割 では具体的なプロセス ①心理教育:トラウマ反応の説明等 ②呼吸再構成法:自分を落ち着かせるための呼吸法 ③現実エクスポージャー:本当は安全であるにもかかわらず、患者さんが避けている状況や行動、場所、対象に対して、取り組んでいく ④最終段階「想像エクスポージャー」トラウマへの記憶を思い出させトラウマを乗り越えられる。本来の正しい認識をしてトラウマを過去の記憶として処理できるようにする。   治療中に生じた不安はそれを乗り越えていくための手がかりになる。   無理に持続エクスポージャー療法を求めなくても一般的なカウンセリングで治る場合も多いため患者さんは自分の話を聞いてくれる信頼置けるカウンセラーや医師を見つけられることが先決。 今週の格言 「この世で最もお金がかからず、そしておそらくもとっとも聞く薬は言葉だと思います。傷を克服して自由になろうとする人を手助けする言葉です。」byレディガガ なんとかなるだろうという感覚が必要
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