2021.4.14
Dr.深堀のラジオde診察室 2021年4月10日 マインドコントロール
現代社会はまさにマインドコントロールの巣窟と言っても過言ではない。
「悪徳商法」・「マルチ商法」・「ブラック企業」・「カルト宗教」など
洗脳とマインドコントロールの違いは?
洗脳:長時間にわたる身体的拘束や拷問、薬物の投与などにより、個人の信念やアイデンティティーを強制的に変えるもの
マインドコントロール:物理的・身体的に強制的な方法を用いず、本人・周囲の人々にも、それとは気づかれないうちに、他人の考えや気持ちをコントロールする洗練された心理操作の技法。
誰でもマインドコントロールされる危険性はある。
親が子にやかましく言って言うことを聞かせようとするのも一種のマインドコントロール。
被害に遭い易い人
精神的に弱っている人ほど、甘い誘惑に騙されやすくなっている。
「ひょっとしたら自分も?」と考えられる間は、大丈夫。
大抵は善良で真面目で責任感が強く、人から頼まれると断れない人。日頃から他人を疑うことは悪いと自分に親切にしてくれる人や優しくしてくれる人を信じようとする傾向がある。世間知らずのお人好しタイプですね。
自分に自信を持っている人。自分の考えが全て正しいと思っているので視野が狭い。
考えることが苦手な人。日頃から考える癖がないという人は、頭を使って考えるのは非常に疲れますからマインドコントロールに引っかかる典型的な人です。
神秘的なことやオカルト的なことに魅力を感じやすい人。
周囲に相談できる人がいない人
孤独なので、親切にしたり優しく接したりする人に依存してしまいます。
限られたコミュニティの中で行動している人。
だます側は情報を遮断することによって視野を狭め、ある結論に導くことを目的としている。
マインドコントロールの手順。
①「一緒にいる時間が長くなる」
マインドコントロールする相手を長時間拘束することはできませんから、親切にしたり優しくしたりして接近し一緒にいる時間をどんどん長くする。家族同様につき合いや長電話などで相手の時間を奪い続ける。この際、「返報性の法則」で人から恩を受けた際、無意識に恩返しをしなければならないと考える際の心理というものを巧みに使ってきます。
②睡眠不足に追いやって思考力を低下させる。
睡眠不足になると脳が疲れて思考力や判断力が落ちるため。
③小さな約束をとりつけてくる。
④希少性を利用してくる。人間は希少価値の高いものに触れると優越感を抱きやすい。あなたにだけ等。
⑤権威主義を利用。有名人の名前などを持ち出して被害者の心を開かせる。警戒心の強い人でも、権威の後ろ盾があれば信じてしまう。
⑥「アメとムチ」作戦です。相手の思考力が落ちたと見るや、相手の人格を否定する暴言を浴びせ罵倒します。そして、鞭に変えて甘い飴のような言葉で救済の手を差し伸べて、「世界の中で頼れるのはこの人だけ」、「世界の中で自分の居場所はここしかない」などと思い込ませてくる。
マインドコントロールの被害に遭わないようにするには
最初から一人の人間や怪しい集団の言うことで決めずに、迷った時は利害関係のない第三者や複数の人の意見を聞くようにする。
「相手をよく見て、すぐに質問する」
その時「具体的な答えがない」「質問を質問で返す」、「質問をさせない」ようでしたら怪しい。おかしいと思ったらすぐ離れる。
完全にマインドコントロールされてしまったと思われる被害者を救うためには。
そこから救うためには、強制的に加害者と関係を断たせるしかない。連絡を断つようにさせ、しばらく加害者との距離を置けば、やがて冷静に頭が回るようになる可能性もある。
格言)今夜は、野村克也さんの言葉をお送りしましょう。
『楽を求めたら、苦しみしか待っていない』
曲:マリア・アントネッテ『Overture』・『Give me your Love』