頭痛
国際頭痛分類には367種類
「頭痛もち」は日本人約4千万人(3人に1人)そのうち840万人が片頭痛で悩んでいる。
実は脳自体は痛みを感じない。頭の血管や筋肉が刺激を受けて初めて頭が痛いと感じる。
二日酔いの時頭が痛いのは、頭の血管が拡張して周りの神経を刺激するから。パソコンばっかりして頭が痛いのは、頭や首の筋肉が緊張してひどく凝ってる。
しかし、中には恐ろしい頭痛もある。その見分け方とは
まず、頭痛には
大きく分けて3つある
1.日常おきる頭痛(風邪や二日酔いなどで勝手に治る)
2.慢性頭痛(筋緊張性頭痛・片頭痛・群発頭痛)頭痛全体の80%を占め、原因となるほかの病気がなく繰り返し起こる頭痛。(一次性頭痛)
3.脳の病気に伴う頭痛(くも膜下出血・脳出血等)危険な頭痛(二次性頭痛)
3大慢性頭痛
①筋緊張性頭痛:過度な緊張や身体的、精神的ストレスが原因で起きるとされている。(頭全体、特にてっぺんから後ろ頭が何かで強く締め付けられるような鈍い痛みがずーっと続く)首や肩の凝り、めまい、ふらつき、全身のだるさなどをともなう。首や後頭部の筋肉が緊張して血管や神経が圧迫されて起こる頭痛。特効薬あり(CMCP)
②片頭痛:頭の横側、右なら右・左なら左だけが痛く目の奥がチクチクしたり吐き気をもよおす。目の前に暗い星のようなものがみえたりもする。
原因:ホルモンバランスの変化
セロトニンが増えすぎると急激に血管が収縮します。その後反射的に広がる為炎症を起こし、頭痛が起きる。血管の拡張の為ズキンズキンと脈打つように痛い。
エストロゲン減ると頭痛が起きる。その為女性は片頭痛もちが多い。
感受性や反応性が豊かな方も成り易い。
片頭痛もちは10人に一人の割合で存在している。
薬物療法でトリプタン製剤と言うお薬がある(病院で処方)
市販の痛み止めの乱用は、薬物乱用性頭痛を引き起こす可能性がある為注意が必要
③群発性頭痛:毎年決まった時期にまとまって起こる頭痛、片目の奥にえぐるような激痛がおきて、数十分から3時間ほどおき痛い方の目から涙が出たり、充血したり、鼻水が出たりする。こうした症状が1日に3~4回毎日のように起き1~2か月続く(禁酒が必要)
薬はないため、血管収縮薬を予防的に飲んでもらったり、深呼吸・酸素吸入で痛みを抑える。
2次性頭痛:脳の病気の伴う頭痛
頭痛全体の10%
いつもと違う、日に日に頻度が増していく頭痛
くも膜下出血:今まで経験したことのない突然の激しい頭痛。吐き気を伴い意識を失う事もある。ガーンする衝撃感、気の遠くなる感じやめまい感などの異変がいきなりおこる。再び出血が起こるとより重症になる為、緊急入院と早急な治療が必要
脳出血:多くは高血圧がもとで脳血管が破れ出血、急に頭痛が起きて短時間で痛みはピークに達する。頭痛は軽くても手や足のまひや言葉のもつれ、吐き気やめまいを伴う。
脳梗塞:何かしらの原因によって脳に血が通わなくなる。(脳細胞が死んでしまう)
即救急車を呼びましょう
髄膜炎や脳炎:ウイルスや細菌感染が髄膜に及び高熱とともにズキンズキンと激しい頭痛が起きます。首の後ろが硬くなるのも特徴(顎を引くことが出来ない)炎症が脳まで及ぶと脳炎になり、まひや意識障害が起きる。神経内科の受診してください。
慢性硬膜下血腫:頭をぶつけたことが原因で頭蓋骨の下にある硬膜とくも膜の間に徐々に出血し、1~2ヶ月後に血腫が脳に圧迫して頭痛が起きます。ぼんやりしたり、もの忘れや尿失禁などがでて認知症と間違われることがある。CTやMRIで発見されひどい時は、脳外科で血腫を取り除く。
脳動脈解離:椎骨動脈という脳の後方へ行く血管に出来る事が多い。急に後頭部に強い痛みがおきる。片頭痛と区別が難しく、MRIの検査で明らかになる場合がある。大抵は何事もなく数か月で回復しますが動脈瘤や血管の狭窄をきたしてまれにくも膜下出血脳梗塞を引き起こす。
脳血管の攣縮:ゴルフやウェイトトレーニングなどの運動や感情の昂ぶりに際しておきる頭痛。1~3ヶ月で治るが、症状だけではくも膜下出血などと区別がつかない。脳梗塞や出血を伴う場合がある。
脳腫瘍:数週間から数か月にかけて徐々に強くなる。朝方に頭痛が強くなることが多く、頭痛で目覚めたり、起きてしばらくするとよくなることがあるが、頭痛に手足のしびれ、マヒ、目の見えにくさケイレンなどで偶然に脳腫瘍が見つかることもある。
脳腫瘍すべてが悪性でなく良性の場合は経過をみる物もあります。手術が必要な場合でも適切な治療をうければ元の生活に戻れることも多いので気になる症状があれば早めに受診することが重要。
危ない頭痛を疑うサインとして次のようなものがあげられます。突然の頭痛、今までに経験したことのない頭痛、いつもと様子が違う頭痛、頻度と程度が増していく頭痛、しびれを伴う頭痛。嘔吐を伴う頭痛など。ためらわずに病院へ。
今週の格言
「頭痛の予防は、とにかく睡眠時間を整え、きちんと休憩をとる、クヨクヨしない。それだけでかなり改善してくる。」by大和田潔氏
予防は、寝る時間と起きる時間を一定にして体にリズムを作る事、それで脳血管の不安定さを防ぐことが出来る。
|